【2026年最新】現場の投光器と仮設照明|法定の照度と、発電機で何台まわせるか

夕暮れの建設現場で、三脚に載せた2台のLED投光器が作業面を照らし、地面の発電機からケーブルが伸びているイラスト 現場ノウハウ

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建設機械のレンタル会社で受付をしていると、秋が深まるにつれて発電機の相談が増えます。そしてその流れで、ほぼ必ずこう聞かれます。「この発電機で、投光器は何台まわせますか」
照明は後回しにされがちですが、暗い現場は単に見えないだけでなく、法令上も問題になります。この記事では、現場の明るさについて決まっていることと、投光器の選び方を整理します。

結論:明るさは好みではなく、法令で決まっています

先に結論から書きます。

  • 作業面の照度には法定の基準があります。労働安全衛生規則第604条で、精密な作業は300ルクス以上、普通の作業は150ルクス以上、粗な作業は70ルクス以上と定められています。
  • 明るければいいわけでもありません。同605条は「明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じない方法によらなければならない」と書いています。まぶしさも規制対象です。
  • 照明設備には点検義務があります。同605条第2項で、6月以内ごとに1回、定期に点検することとされています。ここは見落とされがちです。

そのうえで機材の話をすると、LED投光器はW数ではなくルーメン(lm)で明るさを見るのが基本になります。理由は後述します。

法定の照度基準(安衛則第604条)

事業者は、労働者を常時就業させる場所の作業面の照度を、作業の区分に応じて基準に適合させなければなりません。

作業の区分基準
精密な作業300ルクス以上
普通の作業150ルクス以上
粗な作業70ルクス以上

ここで押さえておきたいのが、条文にただし書きがあることです。感光材料を取り扱う作業場、坑内の作業場、その他特殊な作業を行なう作業場については、この限りでないとされています。トンネルなどの坑内はこの表の適用外で、別の規定が関わってきます。

もうひとつ、条文が求めているのは「作業面」の照度だという点です。現場全体をぼんやり照らしても、手元が暗ければ基準を満たしません。投光器を1台高い位置に置いて満足してしまうと、実際の作業面には届いていない、ということが起こります。

見落とされがちな2つの条文

まぶしさも規制されています(第605条第1項)

「採光及び照明については、明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じない方法によらなければならない」。
強い投光器を人の目線の高さで正面に向けると、照らされた側は逆に見えなくなります。明るい場所と暗い場所の差が大きいほど、暗いほうが見えなくなるのも同じ理屈です。夜間の現場でバルーン型の照明が使われるのは、光を拡散させてこの対照を緩やかにするためです。

まぶしさと影の両方を減らす方向に振ったのが、バルーン型の照明です。光源を布で覆って全方向に拡散させるので、正面から見ても目に刺さりにくく、影も出にくい。夜間工事でよく見かけるのはこのためです。
下は現場照明の定番メーカーである日動工業のミニバルーンライト(LBA-150LN-G)で、三脚が付いた状態のものです。単価は投光器より高くなりますが、まぶしさの対照を緩やかにするという点では投光器を増やすのとは方向性が違います。

バルーン照明を検討する前に

  • 単価が投光器とは一桁違います…短期の現場なら、買うよりレンタルのほうが合理的なことが多いです。使う頻度から逆算してください。
  • 風の影響を受けます…バルーンは面積があるぶん、風のある日は設置場所と固定に気を使います。
  • まぶしさ対策であって、明るさの解決策とは限りません…拡散させるぶん、一点を強く照らす用途には向きません。作業面の照度が要るなら投光器と併用します。

照明設備は6月以内ごとに点検(第605条第2項)

「労働者を常時就業させる場所の照明設備について、六月以内ごとに一回、定期に、点検しなければならない」。
これは知られていない条文だと思います。照明は「点かなくなったら交換する」ものではなく、定期に点検するものとして書かれています。仮設の照明であっても、常時就業させる場所であれば対象になります。

手持ち電灯・つり下げ電灯にはガードが必要(第330条)

もうひとつ、照明に直接関わる条文があります。安衛則第330条は、移動電線に接続する手持型の電灯、仮設の配線または移動電線に接続する架空つり下げ電灯等について、口金に接触することによる感電の危険及び電球の破損による危険を防止するため、ガードを取り付けなければならないと定めています。
裸電球を延長コードでぶら下げる、という使い方が明確に想定されている条文です。

LED投光器の選び方:W数ではなくルーメンで見る

かつては「500Wの投光器」という言い方で明るさが伝わりました。ハロゲンや水銀灯の時代は、消費電力と明るさがだいたい比例していたからです。
LEDになって、この前提が崩れました。W数は消費電力であって、明るさの単位ではありません。同じ50Wでも、製品によって明るさはかなり違います。見るべきはルーメン(lm)です。

ただし、ルーメンは「光源が出す光の総量」であって、「照らした面がどれだけ明るいか」ではありません。法令が求めているのは作業面のルクスなので、間に照射角距離が入ります。

  • 狭角…光が集まるので遠くまで届きます。ピンポイントで手元を照らしたいとき、高い位置から下ろすときに向きます。
  • 広角…広い面をまんべんなく照らせます。同じルーメンなら1か所あたりは暗くなります。

同じ明るさの製品でも、1台を強く当てるより、複数台を分けて当てるほうが影が減ります。影は段差や資材を見えなくするので、つまずきや踏み抜きの原因になります。台数を増やすのは、まぶしさ対策としても有効です。

屋外で使うなら防水・防じんの等級を確認する

屋外に置きっぱなしにする、雨がかかる、粉じんが舞う。この条件では、外郭の保護等級(IP等級)を確認してください。IPのあとの1桁目が防じん、2桁目が防水を表します。屋内専用の製品を屋外に出すと、水が入って壊れます。
製品ごとに等級は違うので、カタログの仕様欄を必ず見てください。「防雨型」と書いてあっても、水没や高圧洗浄に耐えるという意味ではありません。

色温度は「見やすさ」に効きます

昼白色に近いほうが色の判別がしやすく、細かい作業には向きます。一方で、周囲に住宅がある現場では光が目立ちやすいという面もあります。照らす方向と光が漏れる方向は、近隣対応にも直結します。

選び方を踏まえて、汎用の1台を挙げておきます。アイリスオーヤマのPROLEDSシリーズで、型番はLWT-2000CK2/LWT-3000CK2/LWT-5500CK2。2000ルーメン・3000ルーメン・5500ルーメンから選べる構成になっています。
この記事で「W数ではなくルーメンで見る」と書いた基準に、そのまま当てはめて選べるのが理由です。同じシリーズで明るさだけが違うので、手元用に小さいものを複数台、あるいは面を照らす用に大きいものを1台、という使い分けがしやすくなっています。

買う前に確認したい4点

  • 必要なルーメンは作業内容と距離で変わります…法令が求めるのは作業面のルクスです。ルーメンが大きければいいのではなく、どこから何を照らすかで必要な値が変わります。
  • 防水・防じん等級を仕様欄で確認する…屋外に出しっぱなしにするのか、雨がかかるのか。「防雨」と書かれていても、水没や高圧洗浄に耐えるという意味ではありません。
  • 取り付け方法が現場に合うか…クランプ式、スタンド式、直付け。固定できる場所がないと、結局は床置きになって足元を照らすだけになります。
  • コード長と電源の位置…延長コードを継ぎ足すほど取り回しが悪くなり、踏まれる・引っかかる確率が上がります。電源からの距離を先に測っておいてください。

※私は建設機械レンタルの受付で、発電機と照明の相談を受けたり、返却された機材を確認したりしている立場です。ここに挙げた製品を自分で使用した経験はありません。書いたのは法令と仕様の見方であって、使用感のレビューではない点はご承知おきください。

受付でいちばん聞かれる「発電機で何台まわせるか」

ここは実際に相談を受けている話です。

考え方はシンプルで、使う機器の消費電力を合計して、発電機の出力に余裕を持たせるということに尽きます。LED投光器は消費電力が小さいので、投光器だけなら台数を増やしてもそれほど食いません。問題になるのは投光器と一緒に何を使うかのほうです。

電動工具やコンプレッサーのように始動時に大きな電力が必要になる機器を同じ発電機につなぐと、投光器が一瞬暗くなったり、発電機が落ちたりします。照明が落ちると作業が止まるだけでなく、暗い中で人が動くことになるので危険です。照明の電源は、可能なら動力系と分けておくほうが安心です。
発電機側の選び方は現場の発電機の選び方発電機を借りる前に決める7つのことにまとめています。

返却されてくる投光器は、だいたい同じ壊れ方をします

これも受付として実際に見ている話です。返ってきた機材を確認していると、傷み方に傾向があります。

  • レンズやカバーの割れ…倒れる、資材が当たる、投げるように積む。高い位置に設置するものほど、下ろすときに雑になりがちです。
  • コードの傷み…引きずる、踏まれる、挟まれる。付け根が特に弱く、外から見えにくいのが厄介です。
  • 水の入り込み…屋外に出しっぱなしにした結果です。等級の想定を超える使い方をすると入ります。

どれも「使い方が乱暴だから」というより、暗い中で片付けているから起きているように見えます。最後に片付ける照明そのものが、いちばん暗い時間に扱われるという順番の問題です。
自社で買う場合も同じで、コードの付け根と本体の固定具合は、返す前ではなく使う前に見ておくほうがいいと思います。前述の605条第2項が点検を求めているのも、結局はここです。

よくある質問(FAQ)

Q. 現場の明るさに決まりはあるのですか?

A. あります。労働安全衛生規則第604条で、作業面の照度が精密な作業300ルクス以上、普通の作業150ルクス以上、粗な作業70ルクス以上と定められています。ただし感光材料を取り扱う作業場、坑内の作業場その他特殊な作業を行なう作業場は、この表の適用外です。

Q. 明るければ明るいほどいいですか?

A. いいえ。第605条第1項は「明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じない方法によらなければならない」としています。1台を強く当てるより、複数台に分けて影とまぶしさを減らすほうが実用的です。

Q. 仮設の照明にも点検義務はありますか?

A. 第605条第2項は、労働者を常時就業させる場所の照明設備について6月以内ごとに1回、定期に点検することを求めています。仮設であっても、常時就業させる場所の照明であれば対象になります。

Q. W数が同じなら明るさも同じですか?

A. 違います。W数は消費電力で、明るさの単位ではありません。LED投光器はルーメン(lm)で比較してください。ただし作業面の明るさ(ルクス)は、ルーメンに加えて照射角と距離で決まります。

Q. 延長コードに裸電球をぶら下げてもいいですか?

A. 安衛則第330条は、移動電線に接続する手持型の電灯や架空つり下げ電灯等について、口金への接触による感電と、電球の破損による危険を防ぐためのガードの取り付けを義務づけています。むき出しのままは想定されていません。

Q. 発電機は何kVAあれば足りますか?

A. 使う機器の消費電力の合計に余裕を見て選びます。LED投光器自体は消費電力が小さいので、効いてくるのは同時に使う電動工具など、始動時に電力を食う機器のほうです。機種によって条件が変わるため、具体的な組み合わせは貸出元に相談してください。

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まとめ:照度は法令、機材はルーメンと照射角

現場の明るさは、感覚で決めるものではありません。精密300ルクス、普通150ルクス、粗70ルクスという基準があり、まぶしさも規制されていて、照明設備には6月以内ごとの点検義務があります。
機材を選ぶときは、W数ではなくルーメンと照射角。そして1台を強く当てるより、複数台に分けたほうが影とまぶしさの両方に効きます。

日が短くなる時期は、同じ工程でも暗い時間の作業が増えます。照明の準備は、暗くなってからでは間に合いません。発電機の手配と一緒に、早めに決めておくのが結局いちばん安上がりです。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。法令は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省および所轄の労働基準監督署の公式情報をご確認ください。製品の防水・防じん等級や明るさの仕様は製品ごとに異なります。必ずメーカーのカタログ・取扱説明書をご確認ください。

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