【2026年最新】脚立の「尺」は何メートル?|9尺は軽トラにも積めません(受付が見た実例つき)

建設現場で、後ろのドアを開けた軽バンの横に、畳んだアルミ脚立が水平に置かれているイラスト。脚立は荷室よりはるかに長く、車体の後端を大きく超えて突き出している。荷室の長さと脚立の長さをそれぞれ示す寸法線が引かれ、差が一目で分かる。はみ出した先端にはオレンジ色の布が結ばれている。 現場ノウハウ

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建設機械のレンタル会社で受付をしています。

先日、9尺の脚立を2台借りに来たお客様が、軽バンで来店されました。

結論から言うと、積めません。入るか入らないかの瀬戸際ですらなく、80cm以上はみ出す計算です。取りに来ていただいたのに持ち帰れず、予定になかった配達をその場で組むことになりました。

このとき、たまたま午後から台風が最接近する予報が出ていました。ここから話がややこしくなるのですが、それは後半に書きます。

先に言っておきたいのは、これはお客様が悪い話ではないということです。脚立の「尺」が何メートルなのか、軽バンに何メートルまで積めるのか。どちらも調べれば5分で分かりますが、知らなければ調べようがありません。そして私たち受付側も、電話の時点で「何で取りに来ますか」と聞いていれば防げました。

だからこの記事は、借りる前に突き合わせるべき数字の話です。

結論:尺の数字 × 30cm が、畳んだときの長さ

覚えることは1つだけです。

「尺」は昔の長さの単位で、1尺は約30.3cm。脚立の尺数に30cmを掛ければ、畳んだときのおおよその長さになります。

9尺なら、9 × 30 = 270cm。実際、9尺脚立の収納時の全長は約2.73mです。

そして、車のほうの数字はこうです。

積める長さ
軽バンの荷室長約1.91m(エブリイ 1,910mm/ハイゼットカーゴ 1,915mm・2名乗車時)
軽トラの荷台長約1.94m

並べると一目です。2.73mの脚立は、1.91mの荷室にも1.94mの荷台にも収まりません。

尺と実寸の早見表

よく使う範囲を並べます。「畳んだ長さ」で車と突き合わせてください。天板の高さはそれより10〜20cmほど低くなります。

畳んだ長さ(目安)軽バン(荷室1.91m)軽トラ(荷台1.94m)
3尺約0.9m入る入る
4尺約1.2m入る入る
5尺約1.5m入る入る
6尺約1.8mぎりぎり入るぎりぎり入る
7尺約2.1m入らないはみ出す
8尺約2.4m入らないはみ出す
9尺約2.7m入らない法令上の上限を超える
10尺約3.0m入らない同上
12尺約3.6m入らない同上

境目は6尺と7尺の間です。6尺(約1.8m)までなら軽自動車の荷室にどうにか収まりますが、7尺からは車内に入りません。

※機種によって数十cmの差があります。借りる機械の実寸は、必ずレンタル会社に確認してください。

「はみ出せばいい」にも上限があります

軽トラなら後ろにはみ出させればいい、と考えるところです。それ自体は認められています。ただし上限があります。

積載物の大きさは道路交通法施行令 第22条で決まっていて、2022年5月13日に緩和されました。現在はこうです。

項目基準
積載物の長さ自動車の長さの1.2倍まで
後方へのはみ出し自動車の長さの20%まで(改正前は10%)

軽トラに当てはめます。軽自動車の全長は3.4mなので、

  • 後方にはみ出せるのは 3.4m × 20% = 約0.68m
  • 荷台1.94m + はみ出し0.68m = 約2.62m

これが軽トラで運べる長さの上限です。そして9尺脚立は約2.73m。

10cmほど超えます。根性や積み方の問題ではなく、法令の上限を超えているということです。「斜めに載せれば」という話でもありません。斜めに積めば荷台からの張り出しが横方向に出ます。

はみ出すときは赤い布が要ります

上限内であっても、はみ出して運ぶなら表示が必要です。

  • 昼間…はみ出した部分に30cm四方以上の赤い布
  • 夜間赤色の灯火、または反射器

現場で見かける、後ろに垂らした赤い布はこれです。「面倒だから付けない」は違反になります。8尺以上の脚立を軽トラで運ぶなら、赤い布は前提の装備だと思ってください。

そして、必ず荷締めしてください

はみ出しの表示とセットで、もうひとつ必ずやることがあります。荷締めです。

道路交通法 第71条第4号は、運転者の遵守事項として「積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること」を定めています。縄をかける、シートをかぶせる。やっていなければ、それ自体が違反です。

脚立はアルミで軽く、丸みがあって、よく滑ります。しかも長いので、走行中に少しずれただけで、はみ出し量が変わります。前後にずれれば後ろの車に近づき、左右に回れば荷台からはみ出します。長尺物ほど、締め方が効きます。

ロープでも留められますが、締め直しの回数を考えると、ラチェット式のベルトのほうが早く、緩みにも気づきやすいというのが実感です。

買う前に確認したい点

  • 長さ。荷台をまたいで掛けて、余りを処理できるか。軽トラなら5m前後あると扱いやすい
  • 使用荷重の表示があるか。幅50mm級が現場では扱いやすいが、数字を見ずに選ばない
  • ラチェット式かどうか。長尺物を確実に締めるならラチェット式。手締めでは緩みます
  • 本数。1本だと荷が回ります。最低2本で、前後に離して掛ける
  • フックが荷台のアオリやフックに掛かる形状か

なお、私自身がベルトを何種類も使い比べたわけではないので、「これが一番いい」という書き方はしません。上に挙げたのは、仕様として外せない条件だけです。

受付から:積めないと、その後がぜんぶ動きます

ここからが本題です。「積めなかった」で終わればいいのですが、終わりません。

冒頭の日に、実際に起きたことを順番に書きます。

  1. 取りに来たが積めない。予定になかった配達を、その場で組むことになる
  2. 配達した以上、引き取りもこちらになる。返却の予定も組み直し
  3. この日は午後から台風が最接近する予報だった。その日のうちに引き取れるか分からない
  4. 引き取りが翌日になれば、1日分の追加料金が発生する
  5. その説明をしたが、納得していただけず、交渉が長引いた

この交渉が、いちばんきついところでした。台風が来るかどうかも、いつ作業が終わるかも、受付側には決められません。それなのに「料金が増えるかもしれません」という話だけは、こちらの口から言わなければなりません。

結末を書いておくと、交渉の30分後に、お客様の現場責任者から「台風のため午前で作業終了・撤退」という指示が出ました。そのまま引き取りの依頼になり、追加料金は発生しませんでした。結果としては、こちらが昼休みに引き取りに行くことで収まっています。

つまりあの30分の交渉は、起きなくてよかったものでした。そしてその手前の「積めない」が起きなければ、交渉自体が発生していません。

なぜ日数で料金が動くのか

追加料金の話が揉めやすいのは、レンタル料金が「使った時間」ではなく「借りていた日数」で決まるからです。使わなかった日も、機械が手元にあれば料金は止まりません。

ここは知らないと必ず驚くところなので、建機レンタル料金の仕組み|約款のどこに何が書いてあるかに、約款の条文ベースでまとめています。借りる前に読んでおくと、揉めません。

もうひとつ。台風のような自然災害は、補償制度の対象外とされているのが一般的です。「台風だったから」は、料金や損害の免除理由にはなりません。この点はレンタル機の返却前チェックリスト|追加請求になる7項目で触れています。

電話のときに、これだけ言ってください

防ぎ方は簡単です。ひと言でいいので、これを言ってください。

「軽バンで取りに行きます」

これだけで、受付側が「9尺は積めません」と答えられます。逆に言えば、私たちが「何で取りに来られますか」と聞いていれば、その場で分かったことでもあります。どちらが悪いという話ではなく、どちらかが一度聞けば消える種類のトラブルです。

つる作業や運搬をともなう機械では、こういう「聞けば分かること」がいくつかあります。伝えるべき項目は初めての重機レンタル|電話でこれだけ伝えればOKにまとめました。そこに「取りに行く車」も足してください。

配達を頼むという選択肢

積めないと分かっているなら、最初から配達を頼むほうが早いです。ただし配達には回送費がかかります。片道か往復かで金額が変わり、見積もりに片道しか入っていないこともあります。

予定外の急な配達は、こちらも段取りを崩して動くことになります。先に分かっていれば配車も組めますし、当日の朝に「積めない」となるより、双方にとって安く済みます。

台風や大雨が予報されている日は、返却まで決めておく

今回いちばん揉めたのは、返却のタイミングが読めなかったことでした。天候が崩れる予報が出ている日は、借りる時点でここまで決めておくと安全です。

  • 作業を切り上げる判断は誰がするのか。現場責任者の指示が出るなら、その連絡が来る想定を共有しておく
  • 引き取りに来てもらうのか、自分で返しに行くのか
  • 営業時間外や翌日になった場合、料金がどう動くのか

3つ目を先に聞いておくだけで、当日の交渉はほぼ消えます。知らされていなかった金額の話ほど、揉めるものはありません。

よくある質問(FAQ)

Q. 9尺脚立は何メートルですか?

A. 畳んだ状態で約2.73mです。天板の高さは約2.56m。1尺が約30.3cmなので、尺数×30cmで畳んだ長さの見当がつきます(9×30=270cm)。

Q. 9尺脚立は軽トラに積めますか?

A. 積めません。軽トラの荷台は約1.94m、後方にはみ出せるのは車長3.4mの20%で約0.68m。合計しても約2.62mで、脚立の2.73mに届きません。法令上の上限を超えるため、はみ出させて運ぶこともできません。

Q. 軽バンには何尺まで入りますか?

A. 6尺(約1.8m)までが目安です。軽バンの荷室長は約1.91m(2名乗車時)なので、7尺(約2.1m)からは入りません。機種差があるので、実寸で確認してください。

Q. はみ出して積むとき、何か付ける必要がありますか?

A. 必要です。昼間は30cm四方以上の赤い布、夜間は赤色の灯火または反射器をはみ出した部分に付けます。付けずに走ると違反になります。

Q. 積めなかった場合、その場で配達してもらえますか?

A. 対応できることもありますが、確約はできません。配車の空きと現場の距離しだいです。回送費も別途かかります。先に電話で伝えていただければ、こちらも段取りが組めます。

Q. 台風で返却が翌日になったら、料金はどうなりますか?

A. 原則として1日分の追加になります。レンタル料金は借りていた日数で決まり、使わなかった日も止まりません。自然災害は補償制度の対象外とされているのが一般的で、天候は免除理由になりません。会社ごとの運用はあるので、荒天が予想される日は借りる時点で確認してください。

Q. 脚立を使うのに資格は要りますか?

A. 脚立そのものに資格の定めはありません。ただし高いところでの作業には、高さに応じた別の決まりがあります。作業床の高さが2m以上になる場合の墜落防止措置などです。高所側の線引きは高所作業車とフルハーネス|10m・6.75m・5m、3つの数字の意味にまとめています。

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まとめ

覚えることは3つです。

  • 尺数 × 30cm = 畳んだときの長さ。9尺なら約2.7m
  • 軽バンの荷室は約1.91m、軽トラの荷台は約1.94m。車内に入るのは6尺まで
  • はみ出しの上限は車長の20%。軽トラでも合計約2.62mまでで、9尺は積めない

そして、受付として最後に書いておきたいことがあります。

電話で「軽バンで取りに行きます」と言ってください。それだけです。

たったこれだけで、当日の配達も、返却の組み直しも、追加料金の交渉も、まとめて起きません。知らなかったことは責められるようなことではありませんが、聞けることは聞いておいたほうが、その日一日が楽になります。

私たち受付側も、同じことを聞くようにします。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。脚立の寸法は機種によって異なり、車両の荷室・荷台寸法も車種や年式によって変わります。積載の基準は道路交通法施行令によりますが、実際の運用は所轄の警察にご確認ください。料金や返却の取り扱いはレンタル会社ごとに異なるため、契約したレンタル会社の約款と説明を必ずご確認ください。

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