混合ガソリンの作り方|25:1と50:1の見分け方

チェンソーと刈払機の横に、混合燃料を作る計量容器とチェンソー用防護ズボン、保護めがねが並べられたフラットイラスト 工具

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私は建設機械のレンタル会社で受付をしていて、業務のひとつに燃料の管理があります。軽油、ガソリン、アドブルー、そして2サイクルオイル。この最後のひとつが、いちばん誤解されている燃料だと思っています。

混合燃料は「ガソリンにオイルを混ぜたもの」で合っているのですが、何を、何対何で混ぜるかは機械が決めていて、人が決めることではありません。そして混ぜたあとの燃料には期限があります。ここを外すと、エンジンカッターも、チェンソーも、草刈機も、静かに壊れていきます。

この記事では混合燃料の作り方と、チェンソー・草刈機の安全なかけ方を、メーカーの取扱説明書と厚生労働省の資料に当たって整理しました。数字はすべて「自分の機械の取扱説明書が正」です。この記事の数値は一例として読んでください。

結論:3つだけ守れば、たいてい壊れない

  1. 混合比は機械の取扱説明書に書いてある数字に従う。「だいたい」で作らない
  2. 混合燃料は1回で使い切る量だけ作る。作り置きしない
  3. 給油した場所から3m以上離れてエンジンをかける。その場でかけない

3つとも、メーカーの取扱説明書にはっきり書かれていることです。逆に言えば、壊れる原因のほとんどはこの3つのどれかを外したところにあります。

【第1部】混合燃料

なぜオイルを混ぜるのか

4サイクルエンジンには、エンジンオイルを溜めておく場所があります。潤滑はそこから供給されるので、燃料はガソリンだけで済みます。

2サイクルエンジンにはそれがありません。燃料に混ぜたオイルが、燃料と一緒にエンジンの中を通って潤滑する仕組みです。つまり混合燃料の「混合」は、潤滑そのもの。だから取扱説明書はこう書いています。

ガソリンだけで運転すると、エンジンが焼き付き故障します。

「ちょっとだけ動かすから」が通用しません。オイルの入っていないガソリンを入れた時点で、潤滑がない状態で回すことになります。

混合比は機械が決める(25:1 か 50:1 か)

よく見るのが25:150:1です。あるメーカーの2サイクル刈払機の取扱説明書は「ガソリン25:1(2ストローク専用オイル)」、同じメーカーのチェンソーは「無鉛ガソリンと2ストローク専用エンジンオイル(JASO-FC適合品)を25:1(もしくは50:1)の割合で混ぜた混合ガソリン」としています。同じメーカーでも機種によって違うということです。

そして、比率を外したときにどうなるかも公開されています。別のメーカーのFAQでは、50:1指定の製品に20:1や25:1(=オイルが濃い側)を使った場合に、こうした不具合が挙げられています。

  • キャブレター内の燃料通路が詰まりやすくなる
  • エンジンの吹き上がり・加速が悪くなる
  • 排気ガスが白くなり、においが強くなる
  • シリンダー、ピストン、マフラー内にカーボンが蓄積しやすくなる

「オイルは多めなら安心」ではありません。そして逆側はもっと危険で、同じFAQには「FB級のオイルを50:1で使用するとエンジンが焼付く危険がありますので使用しないでください」とあります。比率とオイルのグレードはセットで決まっているので、片方だけ合わせても守れていないことになります。

オイルのグレード(FB・FC・FD)は「順位」ではない

ここは誤解が多いところです。2サイクルオイルにはJASOのグレード表示があり、FB→FC→FDと並んでいるので「FDが一番いいオイル」と思われがちですが、メーカーの説明は違います。

  • FB…「ある程度以上の潤滑性能がある。現在のベースグレード(基準)」
  • FC…FBに「煙が見えにくい」という機能を足したもの
  • FD…FBに「煙が見えにくい」「カーボンができにくい」を足したもの

つまりJASO規格上、3つのグレードの潤滑性能のベンチマークは同じで、上に行くほど潤滑が強くなるわけではありません。FC・FDで良くなるのは煙とカーボンです。

とはいえ、屋内や住宅地の近くで使うなら煙が少ないほうがいいし、カーボンが溜まりにくいのはマフラーや排気ポートの詰まり対策として実利があります。「潤滑のためにFDを買う」のではなく「煙とカーボンのためにFDを選ぶ」と理解しておくと、判断を間違えません。まず守るべきは、機械が指定しているグレードと比率です。

ここから先、記事で触れている品目に楽天のリンクを置いておきます。ただし私自身が何種類も使い比べたわけではないので、「これが一番いい」という書き方はしません。仕様として外せない条件だけを「買う前に確認したい点」として添えます。

買う前に確認したい点

  • 機械が指定しているグレードと比率に合わせる。「FDだから安心」ではない
  • JASO規格上、FB・FC・FDの潤滑性能のベンチマークは同じ。FC・FDで良くなるのは煙とカーボン
  • 混合比は自分で決めない。取扱説明書の数字(25:1か50:1か)に従う
  • 容量は使い切れる量で。作った混合燃料は1回分だけにする

作り方の手順

取扱説明書が示している手順はこうです。順番に意味があります。

  1. 混合器(混合容器)はいつもきれいにして使う
  2. 混合器に、混合するガソリンの半分を入れる
  3. 規定量のオイルを入れ、残り半分のガソリンを入れる
  4. キャップを確実に締め、よく振って混合する

ポイントはガソリンを半分入れてからオイルを入れ、残りのガソリンで追うという順番です。空の容器にオイルを先に入れると底に張り付いて混ざりにくく、最後に注ぐガソリンで洗い流す形にすると混ざりやすくなります。そして振る。混ぜたつもりで混ざっていない、が一番こわいパターンです。

なお、ガソリンを入れる容器そのものにも消防法令のルールがあります。灯油用のポリ容器は使えません。容器の要件や、ガソリンスタンドで携行缶に入れてもらうときのルールは重機の燃料の入れ間違いは高くつく|軽油とアドブルーにまとめてあります。

作るなら1回分だけ。混合燃料には期限がある

これがいちばん見落とされている点だと思います。取扱説明書にはこう書かれています。

混合燃料は1回で使い切る量だけ作ってください。1ケ月以上経過すると揮発したり、腐敗してエンジンが故障します。

「1ヶ月以上経過すると……エンジンが故障します」。倉庫の隅に置きっぱなしの混合缶は、燃料ではなく故障の原因です。同じメーカーのチェンソーの説明書にも「長期間保管して古くなった燃料は使用しないでください。故障の原因になります」とあります。

参考までに、混ぜていないガソリンでも同様の注意があります。4サイクルの刈払機の説明書では「燃料専用容器に入れ、日陰で風通しのよい場所に保管した場合で4週間以内に使い切ることが目安」とされています。去年の残りは使わない。ここは徹底したほうが結果的に安上がりです。

ちなみに、私が受付をしているレンタル会社では混合燃料を会社で作っています。比率は25対1です。そして貸し出すときは満タンにして出しています。お客さんから「混合って何対何ですか」と聞かれることも実際にあります。ここが大事なところです。うちは25対1で統一していますが、あなたの機械の指定が50対1なら、その燃料は合っていません。借りた機械に入っている燃料を自分の機械に移す、余ったからと持ち帰って別の機械に使う——これはやらないでください。継ぎ足す前に、貸出元に何対何で入れてあるかを必ず聞いてください。

もうひとつ、貸出の現場で見えていること。借りていく機械は、借り手によってきれいに分かれます。一般のお客さんはチェンソーと草刈機、職人さんはエンジンカッター。同じ2サイクルでも、使う人と用途がまったく違う機械だということです。

缶で買う、という選択肢

最初から混ざった状態で売られている缶入りの混合ガソリンがあります。25:1、50:1と比率ごとに売られていて、選ぶ理由は主に3つです。

  • 作らなくていい…混合器も計量も要らない
  • 比率を間違えない…人が計る工程が消える
  • 少量で買える…年に数回しか使わないなら、作り置きして腐らせるより無駄がない

注意点は比率を確認して買うことです。50:1指定の機械に25:1の缶を買っても、比率違いであることは変わりません。缶の表示と、機械の取扱説明書の数字を突き合わせてください。

買う前に確認したい点

  • 缶の表示(何対何用か)と、機械の取扱説明書の指定比率を必ず突き合わせる。比率違いの缶を買っても意味がない
  • 4サイクルの機械には使えない。刈払機には4サイクルのモデルもある
  • 開封後の扱いと期限は製品の表示に従う。古くなった燃料は使わない
  • ガソリンを含むので、保管も運搬も消防法令のルールがかかる

その刈払機、本当に2サイクル?

見落とされがちですが、刈払機には4サイクルのモデルもあります。あるメーカーの4ストローク刈払機の取扱説明書には、こう書かれています。

自動車用ガソリン(レギュラーガソリン)を燃料として運転してください/ガソリンにエンジンオイルを混合した、混合ガソリンを使用しないでください

2サイクルに生ガソリンを入れるのも、4サイクルに混合を入れるのも、どちらもダメということです。見た目はよく似ているので、複数台を扱う現場では取り違えが起きます。本体に「混合50:1」「ガソリン専用」と大きく書いておくのが一番確実な対策です。

燃料の早見表

燃料入れる機械作り方・買い方やってはいけないこと
混合 25:125:1指定の2サイクル機指定グレードのオイルで作るか、25:1の缶を買う50:1指定の機械に入れる
混合 50:150:1指定の2サイクル機指定グレードのオイルで作るか、50:1の缶を買う25:1指定の機械に入れる/FB級オイルで50:1を作る
ガソリン(無混合)4サイクル機レギュラーガソリンをそのまま2サイクル機に入れる(焼き付く)
古い混合燃料————使わない。1ヶ月以上経ったものは故障の原因

【第2部】かけ方

共通:給油した場所から3m以上離れる

始動の話の前に、全機種共通のルールです。取扱説明書にはこうあります。

始動は必ず、給油した場所から3m以上離れたところで行なってください。

理由は単純で、こぼれた燃料と気化したガソリンが足元にあるからです。あわせて「補給するときは必ずエンジンを停止し、冷えてから」「こぼしたときは、必ず拭き取ってください」も守ってください。給油してその場でロープを引く——現場でいちばん見かける、いちばん危ない手順です。

チェンソーのかけ方

メーカーが示している始動方法は「地面に置く」「両膝または太ももの間にはさむ」の2つです。基本は地面置きで、太ももにはさむ方法は「茂みが密集した場所や雪が積もった環境」での代替として案内されています。

  1. 足場を確認する…滑る場所、濡れた場所、雪、氷、斜面、凹凸のある床面は避ける。周囲に人がいないことも確認する
  2. チェーンブレーキをかける…フロントハンドガード(ブレーキレバー)を前方に押す。「スタートする前に、必ずチェンブレーキを掛けてください」
  3. 平らな場所に置く…このときソーチェン(カッティングアタッチメント)が地面に接触していないことを確認する。接触していると刃が傷むうえ危険
  4. 本体を固定する…左手でハンドルバーを握り、右足の踵でリアハンドルを踏んで押さえる。「チェンソーが動かないようにしっかり押さえ」る
  5. スターターロープを引く

2のチェーンブレーキが肝心です。かかっていない状態でエンジンが始動すると、アイドリングのはずみでチェーンが回ることがあります。「押さえているから大丈夫」ではなく、回らない状態にしてから始動するのが手順です。

切り始めてからの最大の注意はキックバック。取扱説明書は「ガイドバーの先端部での切断はしないでください」と書いています。先端の上側が硬いものに当たると、本体が跳ね上がって自分に向かってきます。

草刈機(刈払機)のかけ方と刈り方

始動はメーカー・機種で細部が違いますが、2サイクル機の一般的な流れはこうです。

  1. プライマポンプを押す…「7~10回程度で燃料がキャブレターにあがってきます」
  2. チョークレバーを「閉」にする(エンジンが温まっているときは不要なことが多い)
  3. 本体を安定させて、スタータハンドルを「ある程度勢いよく」引く
  4. かかったらチョークを開く…ただし「気温が低いときまたはエンジンが冷えているときは、急にチョークレバーを開くと、エンジンが停止する場合」がある。少しずつ戻す

そして刈り方です。ここに安全上の理由がある動かし方があります。

刈払機は、身体のまわりを右から左へ回すようにしながら前進/刈り残しをなくすために、刈刃の先端から1/3の範囲で刈ってください

右から左には理由があります。刈刃は回転しているので、当たる位置によっては刃が食い込んで本体が跳ねます。取扱説明書はこう説明しています。「この範囲で刈刃が硬いものに当たると、反動で作業者側(自分の方向)に本機が跳ね返されます」——これが刈払機のキックバックです。だから対策は「刈刃を右から左に操作して刈払い作業を行ってください」

また「刈刃で打つ、たたくなどの方法で刈払い作業をしないでください」とも書かれています。太い草や竹を叩き切るような使い方は、跳ね返りと刃の破損を同時に呼びます。

もうひとつ、数字で覚えておきたいのが立入制限です。「作業中は半径15m以内に他の人や動物を近づけないでください」。刈刃は石や金属片を高速で飛ばします。15mは「隣で作業している人」がふつうに入る距離なので、複数人で刈るときは間隔と進む向きを先に決めてください。

なお、ここでかからなかったときの切り分けと、かぶったときの戻し方2サイクルのチョークの使い方|エンジンを一発でかけるにまとめてあります。引く回数を増やす前に、見る順番があります。

保護具は「あったほうがいい」ではない

取扱説明書が挙げている保護具はこれだけあります。

  • チェンソー…防振性のよい手袋、保護めがね、耳栓、保護帽(ヘルメット)。粉じんの多い作業では防じんマスクを併用
  • 刈払機…保護帽(ヘルメット)、耳栓、保護メガネ(ゴーグル)、防振手袋、安全靴(先芯入り)、すね当て、長そで、長ズボン、防じんマスク

そしてチェンソーについては、法令で着用が義務づけられている保護具があります。次の章で触れます。安全靴選びについては安全靴のおすすめ人気比較もあわせてどうぞ。

買う前に確認したい点

  • これ1つで足りるわけではない。取扱説明書が挙げているのは保護帽・耳栓・保護メガネ・防振手袋・安全靴(先芯入り)・すね当て・長そで・長ズボン・防じんマスク
  • すね当ては飛散物と接触の対策であって、切創防止用保護衣の代わりにはならない(チェンソーの防護ズボンは別途・後述)
  • サイズと固定方法。ずれると意味がないので、装着したまま歩ける形か確認する
  • 半径15m以内に人を入れないという基本のほうが先。保護具は最後の砦

【第3部】法令と教育

防護ズボンは「あったほうがいい」ではなく義務

2019年(令和元年)8月1日から、チェーンソーによる伐木作業等を行う場合、事業者は労働者に下肢の切創防止用保護衣を着用させることが義務づけられています。厚生労働省のリーフレットには「切創防止用の繊維を入れた防護ズボン、チャップス等」とあり、JIS T8125-2に適合する防護ズボン、またはこれと同等以上の性能を有するものが対象です。

背景の数字も出ています。林業の死亡災害は年間40人前後で推移し、平成23年以降改善がみられていない。そして死亡災害の約6割がチェーンソーによる伐木作業時に発生しています。防護ズボンは、この数字に対して打たれた手です。

買う前に確認したい点

  • 法令が求めるのは「JIS T8125-2に適合する防護ズボン、またはこれと同等以上の性能を有するもの」。上の製品は JIS T 8125-2:2022 適合と表示されているものだが、買うときは必ず現物の表示で規格を確認すること。海外規格(EN381-5など)の表示だけの製品は、同等以上にあたるかを販売元・メーカーに確認する
  • 着用させるのは事業者の義務(2019年8月1日〜)。「本人が要らないと言った」は理由にならない
  • ズボンタイプかチャップス(前掛けタイプ)か。作業内容と季節で選ぶ
  • サイズと丈。裾が余ると引っかかりの原因になる
  • 防護ズボンがあっても、特別教育とキックバック対策は別。装備で作業手順を省略しない

チェンソーの特別教育(2020年8月1日から統合)

チェーンソーを使う伐木等の業務には特別教育が必要です。2020年(令和2年)8月1日から、それまで伐木の直径等で区分されていた特別教育が統合され、時間数が増えました。胸高直径20cm以上の立木にも対応する内容になっています。すでに旧制度の特別教育を修了している人は、一部科目の受講が免除されます。

同時に、作業のルールも厳しくなりました。

  • 受け口の義務化範囲を拡大…胸高直径40cm以上の立木から、20cm以上のものへ
  • かかり木の処理を禁止…かかり木にかかられている立木を伐倒すること、かかり木に激突させるためにかかり木以外の立木を伐倒することを禁止
  • 立入禁止範囲…立木樹高の2倍に相当する距離を半径とする円内への立入を禁止

資格まわりの全体像は現場で稼げるおすすめ資格7選にまとめてあります。

チェンソーは「1回10分、1日2時間」が目安

意外と知られていないのが、振動障害を防ぐための作業時間の指針です。厚生労働省の「チェーンソー取扱い作業指針」には、はっきりこう書かれています。

チェーンソーによる一連続の振動ばく露時間は、10分以内とすること

1日の合計についても計算方法が示されていて、機械ごとの振動値から振動ばく露限界時間 TL=200/a²[時間]を算出し、これが2時間を超える場合は1日の振動ばく露時間を2時間以下とすることとされています。さらに「大型の重いチェーンソーを用いる場合は、1日の振動ばく露時間及び一連続の振動ばく露時間を更に短縮すること」。

指針は道具の管理にも触れていて、「振動工具管理責任者」を選任し、取扱説明書が示す時期・方法で定期的に点検・整備して記録すること、とされています。切れない刃で無理に押しつける作業は、振動も時間も増やします。目立て(刃研ぎ)は、実は安全対策でもあります。

草刈機の講習は「努力義務」だが、受ける価値はある

刈払機については「刈払機取扱作業者安全衛生教育」があります。根拠は平成12年2月16日 基発第66号の通達で、カリキュラムは学科5時間+実技1時間の計6時間

ただし位置づけは努力義務で、「特別教育のように法的義務や罰則を伴う教育ではありません」とされています。チェンソーの特別教育とは性格が違うので、ここを混同しないでください。それでも、飛散物と反発という2つの事故要因がある機械です。会社としてまとめて受けさせておく価値は十分あります。

よくある質問(FAQ)

Q. 25:1指定の機械に50:1を入れたらどうなる?

A. オイルが足りない側なので危険です。メーカーのFAQでも、潤滑性能の低いオイルを薄い比率で使うことについて「エンジンが焼付く危険がありますので使用しないでください」と警告されています。逆に濃い側(50:1指定に25:1)はすぐ壊れはしませんが、カーボンの蓄積や燃料通路の詰まり、吹き上がりの悪化を招きます。どちらの向きにも外さないのが答えです。

Q. 去年の混合燃料が缶に残っている。使える?

A. 使わないでください。取扱説明書に「1ケ月以上経過すると揮発したり、腐敗してエンジンが故障します」と書かれています。混合燃料は1回で使い切る量だけ作るのが原則です。処分は自治体や販売店の案内に従ってください(下水や地面に流すのは論外です)。

Q. FDのオイルを買えば、混合比は適当でいい?

A. なりません。JASO規格上、FB・FC・FDの潤滑性能のベンチマークは同じで、FC・FDで良くなるのは「煙が見えにくい」「カーボンができにくい」という部分です。グレードを上げても、比率を外していいことにはなりません。

Q. 缶入りの混合ガソリンと、自分で作るのはどっちがいい?

A. 使う頻度で決めるのが現実的です。毎日使うなら作ったほうが安く、年に数回なら缶のほうが無駄がありません。作り置きして腐らせるくらいなら、必要なときに缶で買うほうが結果的に安上がりです。缶を買うときは比率(25:1か50:1か)を機械の取扱説明書と突き合わせてから選んでください。

Q. チェンソーは資格がないと使えない?

A. 伐木等の業務では特別教育が必要です。2020年8月1日から、直径で区分されていた特別教育が統合され、時間数も増えました。あわせて2019年8月1日からは下肢の切創防止用保護衣(防護ズボン・チャップス等)の着用が事業者に義務づけられています。「持っているから使える」ではありません。

Q. 草刈りは何メートル離れれば安全?

A. 取扱説明書は「作業中は半径15m以内に他の人や動物を近づけないでください」としています。15mは思っているよりずっと遠い距離です。複数人で作業するときは、間隔と進行方向を先に決めておいてください。刈刃は石や金属片を飛ばすので、保護めがねは作業者本人だけでなく近くにいる人にも必要になります。

Q. エンジンがかからない。何を確認すればいい?

A. 順番に確認してください。①燃料が古くないか(1ヶ月以上前の混合は疑う)②比率とオイルの種類が合っているか ③スイッチが「運転」側になっているか ④プライマポンプで燃料が上がってきているか ⑤チョークの位置。とくに①と②はいくらロープを引いても解決しません。それでもかからない場合はプラグやエアクリーナの点検が必要になるので、無理に引き続けず販売店や貸出元に相談してください。

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まとめ

混合燃料でやることは3つだけです。機械が指定する比率とグレードで作る。1回分だけ作る。給油した場所から3m離れてかける。これで壊れる原因の大半は消えます。

そして道具のほうは、チェンソーは始動前にチェーンブレーキ、切るときは先端を使わない。草刈機は右から左、半径15m。どちらも取扱説明書に書いてある基本ですが、慣れてきた頃にいちばん飛ばされる部分でもあります。

チェンソーの防護ズボンは2019年8月から義務、伐木の特別教育は2020年8月から統合されています。「昔からこうやってる」が通用しなくなっている領域なので、久しぶりに触る人ほど一度確認しておいてください。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。混合比・グレード・始動手順は機種によって異なります。必ずお使いの機械の取扱説明書をご確認ください。法令・教育の内容は改正される場合がありますので、実際の対応にあたっては厚生労働省・都道府県労働局の公表資料をご確認ください。

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